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   弊社、読道株式会社(読道社)は2023年秋に設立したばかりの出版社です。主に日本に住む中国人(将来的には海外暮らしの中国人にも)向けて、「簡体字の読書のために価値のあるテキストを世に残す」ことは創立の趣旨です。統計によると、日本に住む中国系の人は約100万人もいるようです。さらにこの3、4年で、移住先を日本にする中国人が急増してきていることから、日本の「中国人社会」ではいくつ新たな現象が見られています。知識人が日本への移住が相次いで増加することが目立ち、有名大学で「普通?」を中心とする講演会や交流イベントが次々と開催され、中国人向けの書店もすでに3、4店がオープンされました。東京で「中国人のコミュニティが形成しつつある」ということを実感しています。東京において「文化の土壌」と「文化の生態」が広がりつつあると確信して簡体字の本の出版を発足しました。起業間もない半年の間ですが次に述べさせていただく4冊を出版しました。

・存001号『去留之間:1949中国知識分子的選択』(傅国涌著)    ←ご購入

・存002号『一報一館一大学:中国転型的是非成敗1897-1949』(傅国涌著)  ←ご購入

・存003号『故交半零落』(野夫著)  ←ご購入

・存004号『頂残:中国市場和産権的構造及ロジック』(呉思著) ←ご購入

最近のメディア報道:

ウォール街日報:

A Heavy-Hitting Publisher Languished in Xi’s China. Now He Hand-Sells Books in Japan. - WSJ 

朝日新聞:

https://digital.asahi.com/articles/ASS850SW0S85OXIE043M.html?ptoken=01J4ZFEGFERXX8326AG20RF9ZK

波士頓書評:

https://open.substack.com/pub/bostonreviewofbooks/p/df7?r=36ei10&utm_campaign=post&utm_medium=web

ニューヨーカー:

https://www.newyorker.com/news/dispatch/reimagining-china-in-tokyo


存001号『去留之間:1949中国知識分子的選択』  ←ご購入

『去留之間:1949中国知識分子的選択』

傅国涌 著   読道社 2023年12月出版

ISBN 978-4-910908-01-4 C0036  

1949 年,中国の知識人が去就の選択をしなければならない局面に

1949年は時代が分かれる重要な年。

であり、単なる普通な時間の刻印ではありません。この年に下した決断が、その人の人生に後の運命が決められてしまったと言えるくらい重大です。

本書は、異なる年齢である、異なる思想の傾向を持ちながら、異なる選択をした13人の知識人を取り上げています。これらの独特で、再現不可能な生命体は、どのような選択をしたにせよ、彼らの学問、才能、人生経験、さらには政治信条に多大な違いがあったにせよ、彼らの個人的な文章は歴史を真実に記録し、その大変動の時代の脈動を捉え、それぞれが下した人生の選択を示しています。

ある時代の歴史を理解するには、公式の「正史」だけでは全く不十分です。壮大な国家的な記憶は避けられませんが、歴史は同様に(いや、それ以上に)一人ひとりの温情を含む個人的な記録を必要としています。これはただの「野史」ではなく、正史の一部でもあります。これらの個々の生命の温もり、彼らの涙と笑い、躊躇と決断を含む個人的な記録があってこそ、私たちの歴史は初めて完全なものとなるのです。

著者はこう言います。「私は個人的な記録以外から抽象的な歴史の解釈を探そうとはせず、個人的な記録の中に説得力のある証拠を見つけ出し、心の中の疑問、すなわち歴史がなぜこのようになったのかという問いに答えようと努めてきました。」

この版が初稿完成の2004年からすでに20年近くも経ち、私も36歳から56歳になりました。世の中の変遷は著しく、特に最近の3、4年間の変化は、それまでの数十年を上回るほど激しいものです。中国の知識人たちは再び去就の選択に直面しています。この本が今日に至ってもなお時代遅れになっていないことは、最も悲しいことです。私は自分の文章が早く朽ちることをずっと願ってきました。ああ!

存002号:《一報一館一大学:中国転型的是非成敗1897-1949》 ←ご購入


《一報一館一大学:中国転型的是非成敗1897-1949》

傅国涌 著   読道社 2023年12月出版

ISBN 978-4-910908-02-1 C0036  

構想から16年、煌々しい50万字、半世紀に渡る3つの事例で、

20世紀前半の文明史を改めて語り直し、中国の変革の成否を見抜いてくる。

中国近代史において、一報(大公報)、一館(商務印書館)、一大学(北京大学)は注目されるべき価値があり、象徴的な意義があります。それぞれが代表する民営新聞社、出版社、大学三つの業界は、近代中国に新しい文明を取り入れ、新型知識人を育成し、思想の自由、学問の自由、言論の自由の風標とも言えます。事業を立ち上げた知識人たちは、権力の外に立ち、権力者から距離を置き、独立で新しい歴史を切り拓きました。その精神的な価値と実践的な意義は決して色褪せることはありません。

これは真に大きな転換期であった為、私が書いたのは単に3つの機構の物語ではなく、この転換期の成否についての考察です。視点としては3つの機構を選んだだけです。しかし、歴史の後知恵から見ると、この文明の転換事業が未完であることが痛ましいほど明らかにされてきて、この古い民族は未だに岐路に立ち、暗くて先が見えない歴史の瞬間に留まっているようです。本書の·思いはまさにここにあります。

著者プロフィール

傅国涌

1967年生まれ。独立の歴史学者、児童母語教育の実践者。1999年から執筆を開始し、主に近代以降の中国社会の変遷、百年中国の言論史、知識人の運命史、教育史、企業史などを研究。『南方周末』『南方都市報』『新京報』『経済観察報』および『読書』『書屋』『東方』『随筆』『鳳凰週刊』『社会科学論壇』などの刊行物にて500万字以上の文章を発表。香港大学、香港中文大学、ウィーン大学、日本専修大学、台湾中央研究院近代史研究所で訪問学者や学術会議に参加。2010年、『時代週報』の「十人の公共知識人」に選ばれる。

著書

《1949年:中国知識分子的私人記録》《百年辛亥:辛歴者的私人記録》《金庸伝》《叶公超伝》など三十冊以上。

編著

《林昭之死》《過去的中学》《過去的小学》など十数冊。

2017年からは児童母語教育の実践に注力し、「世界と対話する百レッスン」を設計。

 

存003号:《故交半零落》 ←ご購入

 《故交半零落》

野夫 著   読道社 2024年5月出版

ISBN 978-4-910908-11-3 C0098  

失われた時代において、泣血哀働の歌集

これは中国で有名な作家・野夫 最新のエッセイ集です。彼は「アイデンティティを失われた」数人のお友達を思い起こしました。自分の運命を故郷と一生結びつけようとするのに、国を去ることがせざるを得なくなったことにもかかわらず、異国の地で終焉を迎えて帰らぬ人になった民間哲人王康さん、

幾度も敗北を繰り返しながら、一度も勝訴することなく、中国法律の進程と矛盾を目撃してきた現代の侠客のような失意の弁護士張思之さん、

尊敬される出版家、編集者でありながらも「体制の大奥女中」のようだった元三聯書店の代表取締役社長沈昌文さん……。

ほかには、作者本人のストーリも当然入ってあり、「当事者でありながら亡命者且つ犯人」という三重の身分で語っている「甲午?零?事」と「2020断想」をはじめ、本作はこの時代に貴重な注釈を残してくれます。

このエッセイ集は、「悼亡集」でもあります。多くの仲間がこの世を去ってしまったから、胸の中にはエレージが響いていますが、泣き出さないようを強く我慢し、むさび泣きしても聞こえないようにしなければなりません。世の荒波に揉まれた冷たいほっぺに涙を無言に滑らせ、ゆっくりと読み進めることで、著者の心の痛みと筆先の哀愁を共感し、この限りのない悲しみの中ですが、彼がこの時代に寄せる優しさと想いも感じられます。

著者プロフィール

本名は鄭世平。ネットネームは土家野夫。湖北省利川市の出身、1962年生まれ。中国の自由派作家であり、詩、エッセイ、小説、論文、脚本など約200万字の作品を発表。2006年に「第三世代詩人回顧展」の「傑出貢献賞」を受賞。2009年には「2009現代漢語貢献賞」を受賞。2010年1月には《江上的母?》が2010台北国際書展のノンフィクション部門大賞を受賞。中国本土の作家として初めてこの賞を受賞すること。2013年には第11回華語文学メディア賞で年度エッセイ作家にノミネート。

著作

《江上的母親》《拍剣来返旧仇》《父親的戦争》
 

存004号『頂残:中国市場和産権的構造及ロジック』  ←ご購入

『頂残:中国市場和産権的構造及ロジック』

呉思 著   読道社 2024年11月出版

ISBN 978-4-910908-14-4 C0036

「潜規則」から「血酬定律」、そして「頂残」へ

中国を言葉の暗号で再解釈し、中国社会の底層ロジックを透視する

中国とは一体どのような社会なのか?別の問い方をするならば、私たちは一体誰で、どこから来て、どこへ向かおうとしているのか?

著名な歴史学者である呉思氏はこう述べています。「『潜規則』を書き終えた後、私はまるで新しい眼鏡をかけたような感覚を覚えました。この眼鏡を通して見た中国は、公式の説明とは全く異なっていました。そして『血酬定律』を書き終えた後には、まるでX線撮影装置を手にしたかのように感じました。このX線で透視した中国は、過去から現在に至るまで内臓や骨格の構造が驚くほど同じだったのです。」

ヨーロッパや、中東から南アジアに広がるいわゆる「東方専制主義」の国々と比較すると、中国は多くの重大な違いを持っています。このため生じた疑問は次のようなものです。ヨーロッパの絶対主義や、西アジアから南アジアにかけての専制主義と比較して、中国をどう呼ぶべきなのか?2004年、私はある言葉を見つけました??それが「官家主義」です。20年以上にわたり、私はこの「官家主義」の様々な特性を追究することをライフワークとしてきました。

本書では、「官家主義」という大樹の経済的な枝について描いています。いわゆる「頂残」とは、官家主義の大一統社会において、頂点にいる権力からの侵害に対して、あらゆる経済主体が抵抗力や救済手段を持たない状態を指します。このようにして形成された不完全な財産権を「頂残財産権」、不完全な市場を「頂残市場」と呼ぶことができます。

「頂残」という言葉を使うことで、中国の市場と財産権について明確に説明することができます。この言葉を理解すれば、中国社会について最も深い洞察を得ることができ、中国社会のさまざまな「奇妙な現状」を理解できるでしょう。




 著者プロフィール

呉思(ご・し)

歴史学者。1957年北京生まれ。上山下郷時代には大隊書記代理兼生産隊指導員を務める。中国人民大学文学部卒業。これまでに『農民日報』編集部副主任、『橋』誌副社長兼中文版編集長、『炎黄春秋』誌常務社長兼編集長、北京天則経済研究所理事長などを歴任。

主な著書に『陳永貴:毛沢東の農民』『潜規則:中国歴史の中のリアルなゲーム』『血酬定律:中国歴史の中の生存ゲーム』『歴史を再解釈したい??呉思インタビュー集』などがある。