ISBN 978-4-910908-02-1 C0036
構想から16年、煌々しい50万字、半世紀に渡る3つの事例で、
20世紀前半の文明史を改めて語り直し、中国の変革の成否を見抜いてくる。
中国近代史において、一報(大公報)、一館(商務印書館)、一大学(北京大学)は注目されるべき価値があり、象徴的な意義があります。それぞれが代表する民営新聞社、出版社、大学三つの業界は、近代中国に新しい文明を取り入れ、新型知識人を育成し、思想の自由、学問の自由、言論の自由の風標とも言えます。事業を立ち上げた知識人たちは、権力の外に立ち、権力者から距離を置き、独立で新しい歴史を切り拓きました。その精神的な価値と実践的な意義は決して色褪せることはありません。
これは真に大きな転換期であった為、私が書いたのは単に3つの機構の物語ではなく、この転換期の成否についての考察です。視点としては3つの機構を選んだだけです。しかし、歴史の後知恵から見ると、この文明の転換事業が未完であることが痛ましいほど明らかにされてきて、この古い民族は未だに岐路に立ち、暗くて先が見えない歴史の瞬間に留まっているようです。本書の·思いはまさにここにあります。
著者プロフィール
傅国涌
1967年生まれ。独立の歴史学者、児童母語教育の実践者。1999年から執筆を開始し、主に近代以降の中国社会の変遷、百年中国の言論史、知識人の運命史、教育史、企業史などを研究。『南方周末』『南方都市報』『新京報』『経済観察報』および『読書』『書屋』『東方』『随筆』『鳳凰週刊』『社会科学論壇』などの刊行物にて500万字以上の文章を発表。香港大学、香港中文大学、ウィーン大学、日本専修大学、台湾中央研究院近代史研究所で訪問学者や学術会議に参加。2010年、『時代週報』の「十人の公共知識人」に選ばれる。
著書
《1949年:中国知識分子的私人記録》《百年辛亥:辛歴者的私人記録》《金庸伝》《叶公超伝》など三十冊以上。
編著
《林昭之死》《過去的中学》《過去的小学》など十数冊。
2017年からは児童母語教育の実践に注力し、「世界と対話する百レッスン」を設計。
存003号:《故交半零落》 ←ご購入
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